はちみつで歯肉炎や歯周病は改善するか?はちみつの殺菌作用について

はちみつ(蜂蜜)と人間との付き合いは古くて、人類の発展とともにありました。
砂糖の無い時代、甘味料としては重宝されたもので、人間はその甘みのほかにも殺菌作用という効果を知っていたようです。

はちみつには色々な成分が含まれています。
ビタミン類やミネラル類ポリフェノールなど人間に有用な成分です。

はちみつは糖分が80%と非常に高濃度ですから細菌は生きる事が出来ません(※)。
一般的に高濃度溶液中では細菌は死に絶えます。

(※はちみつ(蜂蜜)には、耐久力の強いボツリヌス菌が含まれている場合があります。ボツリヌス菌は100度の熱湯で煮沸しても、消滅しないといわれています。1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べた場合、体内でボツリヌス菌が増殖する可能性が非常に高く危険であるため、厚生労働省は1987年から、1歳未満の乳児にはちみつ(蜂蜜)を与えないよう指導しています。)

これは、はちみつや砂糖だけではなく、「塩」でも同じ効果があります。
むしろ一般的には「塩」の効果が良く知られています。
塩分濃度が濃い、例えば塩漬の「鮭」や「塩から」は日持ちがします。
細菌が繁殖しないからです。

では、はちみつは単に高濃度の糖分であるから、細菌が繁殖できず、殺菌効果があるということなのでしょうか。
今回は、「はちみつで歯肉炎・歯周病が改善するのか」を確かめるべく、はちみつの殺菌効果についてご紹介したいと思います。

<関連記事> 歯周病予防・口臭予防の薬用マスティック&アロマの効果は?口コミ・評判は?

■はちみつの殺菌効果はあるのか?

歯周炎や歯肉炎の原因は口腔内細菌によるお口の病気です。
食物が歯の表面に付着すると、細菌の心地よい住家になってしまいます。
ですから食事の後は歯磨きをして歯に付着した食物を綺麗に掃除すれば、細菌は住み付けなくなります。

これが歯周病予防のメカニズムです。

はちみつはお口の中で歯に付着して細菌の住家になり、歯周病の原因になると推測できそうですが、実際はどのようになるのでしょうか。

一般的には以下のような2つの理解の仕方があります。
1) はちみつは糖類であるから、それが歯の表面に付着したままでいると細菌の住家になると言う考え方で歯周炎の原因になるという説

2) はちみつは糖類の濃度が濃い溶液であるから、細菌は増殖できないし、死んでしまうという考え方で歯周炎の予防になるという説

一見すると両方とも理屈は通る正しい考え方のようですね。
しかし、はちみつに関してはこれら以外の説もあります。
それが、はちみつの持つ殺菌成分に注目した説です。

もう少し詳しく言うと、

3) はちみつの含有成分が口腔細菌に作用することで増殖を抑え、歯肉炎・歯周病の予防になるという説(※)

です。

※Aparna S1, Srirangarajan S, Malgi V, Setlur KP, Shashidhar R, Setty S, Thakur S,〝A comparative evaluation of the antibacterial efficacy of honey in vitro and antiplaque efficacy in a 4-day plaque regrowth model in vivo: preliminary results.″(J Periodontol. 2012 Sep;83(9):1116-21.)

この説は、上記の注の論文に依拠した説ですが、この論文によると、はちみつや生理食塩水などを用いて6種類の口腔細菌に対する阻害効果を実験したところ、他の液体に比べてはちみつの効果が高かったということです。

では、はちみつのどんな成分に殺菌効果(抗菌作用)があるのでしょうか?

上記の論文によると、
1.過酸化水素
2.非解離性の有機酸(酢酸、乳酸、クエン酸などの有機酸のこと。)
3.フラボノイド(ポリフェノールの一類。)
4.低いpHレベル(pH3.4~5.5程度)

などに抗菌効果があると考えられるとのことです。

いずれにしても、口腔細菌に対しては、他の水溶液に比べて阻害作用が見られたはちみつには、抗菌効果があるということができるのではないでしょうか。

<関連広告>医師も驚く!! 蜂産品の相加、相乗効果!!

マヌカハニー、プロポリス、ローヤルゼリー、ミツバチ花粉の混合は

あなたの健康維持の必需品です

■はちみつで歯肉炎や歯周病が改善する?

では、はちみつは歯周病や歯肉炎を改善してくれるのでしょうか?

はちみつで歯周ポケットが小さくなった」というような報告は事例としてたくさんあるようです。

ただし、はちみつの使用者すべてに効果が出たかというと、そうでもないようです。
おそらく、使用条件や使用分量、使い方によっても差があるのではないでしょうか。

また、先の論文によると、これまでの研究で好気性菌に対するはちみつの抗菌作用は検証済みであるものの、歯周病原性菌に対する効果については今回の報告がはじめてとのことでした。

従って、はちみつが歯肉炎や歯周病を改善するかどうかに関しては、医学的にはまだ検証段階、つまり「良くわからない」ということになると思われます。

<関連広告>ピロリ菌対策にもマヌカハニーがおすすめ!

■まとめ

今回は、「はちみつで歯肉炎・歯周病が改善するのか」を確かめるべく、はちみつの殺菌効果についてご紹介しました。

はちみつは人類の歴史とともにある物質で、殺菌作用などの効果があることが経験的に分かっています。

そして、科学的にもはちみつの殺菌効果は検証され、また、現在では歯肉炎や歯周病治療にも効果があるのではないかといわれています。

まだまだ検証段階ではあるものの、はちみつの歯周病治療への効果が実証されることに期待したいと思います。

<関連広告>[薬用マスティック&アロマ」が口臭・歯周病対策になる訳は?


トップへ戻る