歯科医院へ行き、「歯を抜かなければいけない」と言われたらどうしますか?
その歯は絶対に抜かなければいけない歯なのでしょうか。
何とか歯を抜かずに治療できないかとセカンドオピニオンを求め、違う歯科医院へ行くと「抜かない治療をしましょう」と言われることも考えられます。
このように、「すぐ歯を抜く歯科医師」と「抜かない歯科医師」がいますが、これはどうしてなのでしょう?
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■抜かなければならない歯と、抜かなくてもよい歯
確かに昔の歯科医師は、すぐ歯を抜くイメージがありました。
今は8020運動が啓発されており、患者の予防意識も高まっていることなどから、できるだけ自分の歯を残す治療が主流となっています。
しかし歯の状態により、必ず抜歯が必要なケースがあります。
根の治療が不可能な虫歯
虫歯が進行し、根だけになってしまった歯は土台を立てて被せ物を装着することができないため、抜歯になります。
重度歯周病
歯周病が進行し、歯を支える歯槽骨が溶けている状態になると、既に歯が揺れ動いているため残すことが出来ません。
また抜歯をしないと、歯周病菌により他の歯にも影響が及んでしまいます。
根元まで達した歯のヒビや、歯の破折
歯にヒビが入ることはそれほどめずらしいことではないですが、ヒビが根元に達していると歯が割れてしまう恐れがあるため、抜歯になります。
また事故などの外的要因により歯が折れてグラグラになった場合も、歯を保存することは不可能です。
■歯はいちど抜いてしまうと、一生生えてこない
例として、歯周病がある程度進行した歯で考えてみます。
歯周病が原因で歯が揺れ始めると、進行を抑えることはできても、元のように動かなくなることはありません。
歯の動揺は、歯を支える歯槽骨が歯周病菌により溶け始めていることが原因です。
ここが歯科医師の診断が分かれるとこるところではないでしょうか。
1.歯を抜くのは、噛めるようになるためという考え
ここで歯を抜くという選択は、2つあるのではないかと思います。
ひとつは「再び噛む喜びを味わってもらうため」です。
歯周病治療を行っても、いずれは抜けてしまう歯。
痛みやグラつきを我慢すると、食事も美味しくできないでしょう。ならば抜歯をして補綴物を装着したほうが良いという選択です。
つまり抜歯し、ブリッジや部分入れ歯、インプラントで噛む機能を補う治療方針です。
二つ目は、単に歯周病治療に力を入れていない歯科医師です。
このスタンスの歯科医院は、根気よく歯周病治療を行えば長持ちするかもしれない歯でも、抜歯を勧めるでしょう。
なお、勧められたからといって絶対に抜かなければならないことはありません。決定権は患者にあります。
2.歯を抜かないのは、いちど歯を失うと二度と生えてこないという考え
いっぽう、歯をできる限り抜かないスタンスの歯科医師は、患者と二人三脚で歯周病治療をしっかりと行います。
そこには「歯を失うと、二度と生えてこない」「いつまでも自分の歯で食事できる喜び」という理念だと思います。
歯周病を例に挙げてきましたが、進行した虫歯も同じです。
根管治療を行わずにすぐ抜歯という判断も考えられます。
歯科医師の治療の判断が、患者さんのその後を左右すると言っても過言ではありません。
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■歯科医院選びのコツは?
では患者が求めているのは、「歯が痛いから抜いてほしい」でしょうか。
「悪い箇所を治す=抜歯」とは限らないでしょう。
誰もすすんで歯を抜くことは望んでいません。
どうしても抜かなければいけない場合は別として、やはり残せる歯は残したいと思うでしょう。
歯科医院により特徴は様々ですが、歯周病治療や根管治療に力を入れている歯科医院を選ぶと、温存治療が望めるのではないかと思います。
また、今は予防歯科が主流となってきています。虫歯や歯周病にならないよう、予防をしっかりと行ってくれることも大切です。
■まとめ
今は歯科のセカンドオピニオンも当たり前の時代です。自分自身が納得いくような治療を提案してくれる歯科医院にめぐりあえるといいですね。