超高齢社会の頼れる味方、訪問歯科をご存じですか?

高齢で足腰が弱ってくると、歯医者さんに通院するのがだんだん困難になってきます。
実際、要介護認定を受けた高齢者の7割以上が歯科治療が必要であるのに対し、実際に治療を受けているのは3割にも達していません。
最悪の場合、このことが高齢者の病気や死につながってしまうこともあるんです!
超高齢社会では、誰にとっても決して他人事ではありません。
訪問歯科とはどういうものか、なぜ必要なのか、ご紹介しましょう。

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■災害時に誤嚥性肺炎で亡くなる人が増える理由とは?

日本人の死亡原因の第1位はがん、第2位は心疾患、そして第3位は肺炎です。
しかし、肺炎で亡くなるのはほとんどが高齢者で、中でも誤嚥性肺炎であるケースがもっとも多いことがわかっています。

普通、気管に唾液や食べ物が入りそうになったら、むせたり、咳き込んだりして、吐き出そうとしますよね。
これを誤嚥反射、咳反射といいます。
ところが、高齢になると、誤嚥反射や誤嚥反射といった機能が低下してしまい、唾液や食べ物が気管や肺に流れ込みやすくなってしまいます。
このとき、お口の中の歯周病菌が一緒に肺に入り込み、肺が炎症して起こるのが、誤嚥性肺炎です。
そこで、近年では、高齢者の口腔ケアの重要性が叫ばれるようになってきました。

そのきっかけとなったのは、阪神・淡路大震災です。
なんと、阪神・淡路大震災の際の災害関連死の約4分の1が肺炎だったのですが、なんとそのほとんどが誤嚥性肺炎だったと推測されています。
災害時には、水不足などで歯を磨くのが難しくなります。
すると、口内で細菌が大繁殖しやすくなるわけですが、これは、高齢者にとってまさに死活問題。
誤嚥性肺炎を引き起こして亡くなるケースが増えてしまったというわけです。

そこで、阪神・淡路大震災以降、日本歯科医師会では災害時に歯科医や歯科衛生士を積極的に派遣することを決定。
残念ながら、東日本大震災の際は交通網が寸断されてしまったため、避難所などへの到着が遅れ、阪神・淡路大震災と同程度の比率で誤嚥性肺炎による死亡者が増加してしまいましたが、熊本地震では早い段階から避難所等で歯科口腔保健活動が行われ、誤嚥性肺炎の抑止につながりました。

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■介護保険制度で訪問歯科医療サービスが受けられる!

高齢になると、歯周病のリスクが高まってしまいますが、同時に、ものを飲み込む力も低下していきます。
すると、「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」といって、眠っている間にも唾液がじわじわと気管に流れ込み、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうリスクが高まってきます。

また、たとえ口から栄養を摂取できなくなり、チューブで胃に直接栄養を流し込む『胃ろう』を行っている方でも、しっかり口腔ケアをしないと口腔内で細菌が増殖し、誤嚥性肺炎のリスクがどんどん高まってしまうことをご存じでしょうか?

要介護や寝たきりなどで歯を十分磨くことができない高齢者の場合、災害時ではなくても、常に誤嚥性肺炎の危険と隣り合わせといっても過言ではないでしょう。

そこで、ぜひ知っておきたいのが、訪問歯科なのです。

現在の介護保険制度では、自力で通院できない要介護者は、歯科医師による訪問歯科診療を月に2回、歯科衛生士による訪問歯科診療を月4回まで受けられます。

残念ながら、全国にある歯科医院約6万8000の中で、訪問歯科医療を行っている医院は1割未満。
また、要介護者や介護をする家族はもちろん、介護プランを立てるケアマネージャーでさえ、口腔ケアの重要性に対する認識が低いケースも少なくなく、訪問歯科医療サービスを介護プランの中に組み込むケースがまだまだ少ないのが現状です。

実際、誤嚥性肺炎を起こして救急車で運ばれたり、入院したりして初めて口腔ケアの重要性に気づき、訪問歯科医療サービスを介護プランに組み込むケースも少なくありません。

家族やヘルパーさんやヘルパーさんがお口のケアをしていても、やはり専門家のケアにはかないません。
訪問歯科を利用するか否かで、要介護の人健康状態や長生きできるかどうかが大きく左右されるといっても過言ではないでしょう。

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■まとめ

平均寿命が伸びるのと同時に、健康寿命=介護を受けずに健康に生きられる期間も伸び続けています。。しかし、たとえ車椅子や寝たきりの生活になっても、生きている限り食事をして栄養を摂らなければなりませんし、できればずっと食べる楽しみを失わずに生きていきたいですよね。
訪問歯科医療は、最後まで少しでも美味しく食事ができるよう、患者さんに寄り添っていく医療です。

誤嚥性肺炎のリスクを減らすため、また、生きている限り食べる楽しみを保ち続けるためにも、訪問歯科医療サービスは超高齢社会にとって欠かせない重要な医療だと言えるでしょう。

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