本当はどっち?「食後30分間は歯を磨くな」問題の真実!

ネットでは、「歯みがきは食後30分以上経ってから」という情報をよく見かけます。
「食後すぐに磨くべき」という意見もあり、歯医者さんの意見も真っ二つ。
本当はどっちなの?と思っている人も多いのでは?
そこで、日本口腔衛生学会などの見解をもとに、現時点での最終結論とその理由についてまとめてみました!

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■「食後30分間は歯を磨くな」というのは間違い!

結論から言いましょう。
口腔衛生学会では、2013年に「食後30分間、ブラッシングを避けることの是非」 について議論し、以下のような結論に達しています。

「『食後30分間、ブラッシングを避ける』」は正確性に欠ける表現であり、『酸性飲食物摂取直後の ブラッシングは避ける』、すなわち、酸性飲食物の摂取によって生ずる酸蝕症に限定して適応される」

つまり、
食後はすぐに歯を磨くべきだけど、酸蝕歯の人だけは、食後30分間はブラッシングを避けてね。
ということ。
これは、日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会の共通見解です。
では、なぜ、「食後30分は歯を磨くな」という説が登場したのでしょう?

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■そもそもなぜ、こんな誤解が生まれたのか?

健康な人のお口の中は、唾液の力によってpH7程度(平均6.7)の中性に保たれています。
食事のたびに酸性に傾き、pH5.5以下になると、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリンが溶け出し(脱灰)、やわらかくなってしまうのですが、しばらくすると唾液によって中和され、再び硬くなります(再石灰化)。

そこで、食後、まだ酸性に傾いている状態で歯を磨くと、エナメル質を傷つけてしまうから、食後30分は歯を磨かないようにしよう、と言われるようになったわけです。

これは、ある実験に基づいた考え方でした。
酸性の炭酸飲料に歯の象牙質を90秒間浸した後、口の中に戻し、その後の歯磨きの開始時間時間の違いを調べる、という実験です。
その結果、30分以上経ってから磨いたほうが、歯がすり減らないという結果が出たのです。

しかし、この実験は、象牙質のすり減りを調べたものであって、実際には歯はエナメル質に覆われています。
ですから、実際のお口の中では、こんなことは起こりません。
起こるとすれば、すでにエナメル質が溶けてなくなってしまった酸蝕症の人だけです。

もし、食後30分も歯を磨かないでいると、口内の細菌が糖を分解して酸を出してエナメル質を溶かして初期虫歯の状態になってしまうので、逆効果なのです。

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■もうひとつの誤解のもと、ステファンカーブ

実は、「食後すぐに歯を磨くとよくない」と言われる原因となった実験が、もうひとつあります。

ステファンカーブという言葉を聞いたことはありませんか?
これは、歯医者さんなら誰でも知っている実験結果で、ブドウ糖溶液でうがいをした後の、歯垢の中のpH濃度を調べたもの。
これによれば、食後数分で、歯垢の中のpH濃度は5.5以下の酸性になり、唾液の力で中和されて再石灰化が始まるまで20分以上かかります。

そこで、再石灰化されるまで、歯を磨かないほうがいい、という考え方が登場したのですが、これも、あくまでも歯垢の中のpH濃度を調べたものにすぎません。
実際には、たとえ、口の中の細菌が食事の糖を分解して酸を出し、pH5.5以下になったとしても、唾液がしっかり分泌されれば、すぐに中和されてしまいます。

要するに、どちらの事件結果も、口の中で実際に起こり得ることではなく、実験で特殊な環境をつくった結果起こる、机上の空論に過ぎないのです。

むしろ、虫歯が進行しつつある人が、甘いお菓子の食べカスを食後20分間も歯にくっつけたままでいるほうが、よほど心配です。

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■まとめ

「食後30分間たってから、歯を磨こう」というのは、酸蝕症の人だけに当てはまることです。
酸性の食べ物や飲み物を摂ったら、すぐに水やお茶でうがいをして、お口の中の酸性度を緩和するようにしましょう。

また、そもそも、唾液がたっぷり分泌されていれば、食後30分間もお口の中が酸性のまま、ということにはなりません。
虫歯になるのは、歯にくっついた食べカスを放置した結果、虫歯菌が酸を出して歯を溶かしてしまうから。
食後はできるだけ早く歯を磨くか、うがいをして、お口についた食べカスを除去するようにしましょう。
食後30分も歯を磨かないで食べカスを放置していたら、虫歯になりやすくなるだけだということを、しっかり覚えておきましょう。

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