今や「日本人の成人の約8割」「小中学生の約5割」が歯周病か歯周病予備軍だと言われています。
なのに、自分が歯周病だということを自覚し、正しくケアできている人って、案外少ないのではないでしょうか?
実は私もそうでした。
まだ若いし、毎日歯磨きしているから大丈夫、とあまり気にしていなかったんです。
でも、甘かった!
歯医者さんで「歯周病です。かなり進行していますよ」と言われたときには青ざめました。歯周病は、原因や症状をしっかり理解していないと、どんどん進行していってしまいます。
あなたは大丈夫ですか?
口臭や朝のネバネバが
気になる!?
歯周病も初期段階=歯肉炎なら、丁寧なブラッシングで改善できる!
まず、歯周病とはどんなものか、簡単にご紹介しておきますね。
歯周病は、歯周病菌に感染することによって起こる感染症です。
しかも、ちょっとしたストレスや不規則な生活、運動不足、食生活の乱れといった生活習慣に影響を受けやすい、もっとも身近な生活習慣病です。
ですから、歯周病は単なる口内のトラブルではなく、全身病だと認識しておくことが大切なんです。
さて、歯周病は進行・悪化していくプロセスによって、歯肉炎と歯周炎に分けられます。
① 歯肉炎……歯肉が感染して炎症が起きた状態
② 歯周炎……さらに進行して歯を支えている歯槽骨にまで炎症が広がった状態
実は、同じ歯周病菌でも歯肉炎と歯周炎とでは、原因となる細菌のタイプが違います。
歯肉炎は酸素が大好きな「好気性菌」、歯周炎は酸素が大嫌いな「嫌気性菌」が原因です。
どちらの菌も、歯と歯茎の間の歯周ポケットにたまる食べカスなどをエサにして増殖するのですが歯肉炎の原因となる「好気性菌」は酸素が好きなので、歯周ポケットの中でも歯ブラシの毛先が届く程度の比較的浅いところでしか繁殖しません。
これって、どういうことかおわかりですか?
ごく軽い歯肉炎の段階であれば、歯ブラシで丁寧にブラッシングするだけで改善できるということなんです!
「歯を磨く」だけではダメ! 歯周ポケットの汚れをかき出そう!
よく、歯周病は「ほとんど自覚症状がないまま進行しやすい」と言われます。
でも、私はそうは思いません。
その気になれば気づくける自覚症状がたくさんあるんです!
口臭や朝の口内のネバネバもそう。
今までは感じなかったのに、朝口内がネバネバするようになった、口臭がきつくなったと感じたら、それは歯肉炎のサイン。
歯周ポケットの中で悪玉菌が繁殖し、毒性のあるネバネバ物質を出し始めた証拠です。
丁寧なブラッシングでかき出してしまいましょう。
このとき大切なのは、一番大切なのは歯ブラシ選びです。
歯ブラシには、「かため・ふつう・やわらかめ」がありますよね。
「かため」は歯茎を傷つけてしまう可能性があるだけでなく、柔軟に歯と歯茎の間に入れようとすると、とにかく痛い!
しかも、歯周ポケットの中を柔軟に掃除するのが難しいので、おすすめできません。
「ふつう」でもよいのですが、オススメはやはり「やわらかめ」です。
強く力を入れてゴシゴシこすると、毛先が折れて広がり、歯周ポケットの中に入っていかないので、
歯と歯茎の間に直角に歯ブラシを当て、力を抜いて、細かくブラシを震動させるようなつもりで丁寧にブラッシングしましょう。
私の場合、たったこれだけで口臭もお口のネバネバも驚くほど改善できました!
「抗菌・フロス歯ブラシ」
オーラルケア・ラボのスタッフが全員愛用しているオススメ商品。0.03mmのやわらかい極細毛で、歯と歯茎の間にもスッと入るけれど、全然痛くない!しかも、やわかめの歯ブラシはすぐ毛先が広がってしまいがちですが、これは毎日3回以上2〜3週間使っても毛先が広がったりせず、長期間快適にブラッシングできます。歯周ポケットのスッキリ感は、まるでフロスみたい。金と銀の成分を毛に含ませてある抗菌仕様です。
疲れると歯茎が腫れる・
歯茎から出血する
腫れたり、おさまったりを繰り返しながら悪化する!
歯肉炎はその名の通り歯茎の「炎症」ですから、悪化していくに従って歯茎が腫れたり、歯茎から出血するようになってきます。
といっても、最初から痛いほどパンパンに腫れたり、歯茎から大量出血するわけではありません。
疲れがたまっているときや寝不足のとき、つまり免疫力が低下したときに腫れたり出血したりして、しばらくすると、また何事もなかったかのようにおさまってしまうこともあります。
こうして一進一退を何度も繰り返しながら、どんどん歯周ポケットが深くなって進行していくのが普通です。
ですから、たとえ腫れがおさまっても、安心しないこと!
疲れると歯茎が腫れるようになった、歯磨きのとき出血すると気づいたら、歯磨き剤にもこだわって、徹底的にケアしていきましょう。
歯磨き剤は、「泡立ち」が少ないものがオススメ。
歯周病を予防・改善するなら、できるだけ抗菌作用の強いものがいいんじゃない?と思っていませんか?
普通はそう思いますよね。でも、それこそが落とし穴です。
抗菌作用が強すぎるものは口内の善玉菌まで殺菌してしまう可能性が高いので、一時的に悪玉菌を殺菌して歯茎の腫れがおさまったとしても、口内環境はかえって悪化してしまうばかりです。
歯周病が一進一退を繰り返しなてなかなか改善されないのも、決してこのことと無関係ではないんです。
そこで注目したいのが、天然成分の力です。
自然界というのはとてもよくできていて、私たち人間が勝手に悪玉・善玉と決めつけている細菌たちが、互いにバランスをとりながら共存しています。
そのため、天然由来成分には、悪玉も善玉もまとめて殺菌するのではなく、善玉菌をしっかりサポートして「自然で健康的な細菌バランス」に近づけていく力があるのです。
最近は天然由来成分を配合した歯磨きが増えていますが、中でもオススメなのは、泡立ちの少ないタイプです。
泡立ちをよいということは、善玉菌を弱らせる化学合成成分が配合されていると思って間違いありません。
また、泡がぶくぶく出たほうが「磨いたー!」という気分にはなるかもしれませんが、そんな気がするだけで、意外と磨き残しがあるものです。
歯と歯茎の隙間など、細かいところを時間をかけて丁寧にブラッシングするには、泡立ちが少ないほうがかえって好都合なので、ぜひ、試してみてください!
「薬用マスティック&アロマ」
歯周病を研究し続けている歯学博士・渡辺秀司先生が開発した歯磨き。歯周病予防効果が実証されているマスティックをはじめ、9種の天然ハーブを配合していて、香りもさわやか。黄金色のジェルタイプで、刺激も泡立ちもほとんどありませんが、歯磨き後は歯茎がキュッと引き締まって、これまで味わったことがないようなスッキリ感、気持ちよさ!善玉菌優勢の口内環境に近づけていきます。
「薬用プロポデンタルEX」
プロポリスは、ミツバチが巣を守るために植物の芽や樹液と自分の唾液を混ぜ合わせて作った物質で、天然の抗生物質とも呼ばれます。その中でも、最高品質といわれるブラジル産「ウルトラグリーンプロポリス」を高配合。そのせいか、一般的なプロポリスにありがちな独特の味や香りはあまりなく、ハーブのようなさわやかな味と香り。あまり泡立ちませんが、磨いた後の爽快感は絶品!
歯茎の色が赤黒い・
歯がグラグラする
抜歯しか選択肢がなくなる前に、一刻も早く歯医者さんへ
歯茎の色が赤黒くなっているとしたら、すでに歯肉炎から歯周炎に進行してしまった可能性大。
歯を支えている歯槽骨にまで炎症が広がって、歯肉が腫れ、充血していると考えられます。
出血が増え、口臭もきつくなっているのではありませんか?
歯がグラグラするのは、歯垢が石灰化して硬い歯石になり、歯ブラシの毛先が届かないような歯の根の奧深くにまで付着しているから。
こうなると、もうブラッシングだけでは太刀打ちできません。
歯槽骨が溶けて膿が漏れ出したり、抜歯しか選択肢がなくなる前に、一刻も早く、できれば歯周病専門の歯医者さんを受診しましょう。
歯医者さんでは、歯石を取り除いたり、膿を取り除いてくれるだけでなく、レーザー手術など根本的な歯周病治療を行ってくれるはずです。
でも、歯周病は一度悪化してしまうと、たとえ根本治療をしても何度でも再発を繰り返してしまうのがやっかいなところ。
ですから、歯医者さんに通っていても安心せず、毎日の丁寧な歯磨きを欠かさないようにしましょう。
歯医者さん選びが、運命を左右する!?
ここだけの話ですが、歯医者さんと一口にいっても、治療方針はさまざまです。
わからないことがあれば何でも聞ける、生活習慣改善のための指導も丁寧にしてくれる、信頼できる歯医者さんを探すことも、歯周病治療を成功させる重要なポイントです!
何となく不安なら、セカンドオピニオンをとることも視野に入れましょう。