歯茎などの歯周組織に生じる疾患のひとつに「慢性剥離性歯肉炎」というものがあります。
この慢性剥離性歯肉炎は、特に女性に多く見られる病気です。
では慢性剥離性歯肉炎とはいったいどのような病気なのでしょうか。
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■慢性剥離性歯肉炎は歯肉病変のひとつ
一般的な歯肉炎は、歯と歯茎の境目に付着したプラークにより毒素が放出されることで歯茎に腫れや出血などの炎症を引き起こし、若い世代でよく見られます。
これに対し、慢性剥離性歯肉炎は40代~50代の閉経後の女性が大多数を占めていたため、プラークが原因ではなくホルモンの変調が原因ではないかと考えられてきましたが、男性にも現れる症状のため、一概にホルモンの変調が直接の原因とは考えられていません。しかし罹患率は圧倒的に女性のほうが多いのが特徴です。
この病気の歴史は非常に古く、最初に報告されたのは1894年と言われています。
その後、この慢性剥離性歯肉炎は全身状態に関連したものが歯肉に現れると考えられ、皮膚疾患のひとつとして捉えられるようになりました。
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■慢性剥離性歯肉炎の特徴と原因について
非プラーク性歯肉病変のひとつである慢性剥離性歯肉炎は、症状を感じないものもあれば、軽い灼熱感から激痛まで様々です。
その結果次のような症状が現れます。
・歯肉辺縁に生じる慢性潰瘍
・剥離性びらん
・浮腫性紅斑
歯肉上皮に剥離が生じて組織がはがれ落ち、その下の組織が露出するため、歯肉の表面が赤くつるつるした感じに見えます。
原因としては、細菌やアレルギーによっても誘発されると報告があり、金属の詰め物や土台、被せ物といった金属アレルギーのほかにもレジン、接着用セメントなどの歯科用材料により剥離性歯肉炎のようなびらん症状が引き起こされるとも言われています。
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■治療は主に対症療法
では慢性剥離性歯肉炎はどのような治療を行うのでしょうか。
基本的に症状に応じた治療を行う対症療法が中心であり、根本的な治療による完治は難しいと考えられています。
一般的な治療法として、抗菌薬、テラ・コートリル軟膏といった合成副腎皮質ホルモン配合剤軟膏およびデキサルチン軟膏の塗布および歯肉の治療が行われます。
しかし食事に影響が出るほど重度であり、再発を繰り返す難知性の場合は、潰瘍部分に歯肉を移植する外科処置が必要になります。
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■歯周組織の健康を維持するためにはメンテナンスが大切
慢性剥離性歯肉炎の特徴についてお話しました。
一般的な歯肉炎と比較し、プラークが直接の原因ではないものの、歯茎の腫れや炎症を引き起こす他に、歯肉のびらんや潰瘍などの特徴を併せ持っています。
状態に応じた治療を行うこと、そして歯周組織を正常な状態に近づけ、維持するためにはメンテナンスが大切になってきます。
慢性剥離性歯肉炎と診断された方は、長期的に経過を見る必要があります。