歯周病は治らない?歯周病の科学

大阪大学大学院歯学研究科のホームページを拝見させていただいていると、以下の内容が目に留まりました。

2001年、人類史を俯瞰するギネスブックに「全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。
地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。」と記載されていました。
引用:大阪大学大学院歯学研究科 予防歯科学教室 研究活動

今回は大阪大学大学院歯科学研究科の記事をもとに、歯周病の科学についてご紹介します。

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■歯周病は人類病!?

歯周病菌に感染していない人を探すのが難しいほど、歯周病菌は多くの人々に感染しています。
多くの人々には歯周病の自覚はないが、歯周病菌がバイオフィルムを作っている状態で繁殖しておらず、重篤な症状になっていないだけで、身体の免疫力が低下した場合などに繁殖を開始、歯周病が悪化していきます。
自覚症状が出た段階では手遅れになっている場合も多く、歯を抜く必要があります。

大阪大学の歯学研究科では、この国民病を超える人類病とでもいうべき恐ろしい歯周病の研究に挑んでいます。

一般的に歯周病菌は細菌なので、抗生物質で治るのではないか、と思われるが、確かに治療可能で、実際に歯周病用の抗生物質も存在し、治療を行っている歯科医院もあります。
しかし、完治はしない。
歯周病菌の多くは抗生物質で駆除できるのであるが、一部の菌は、歯周組織に膜を作り生き延びてしまうからです。

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■歯周病は治らない!?

今回拝見させていただいたホームページ、大阪大学の天野研究室では、この歯周病菌の歯周組織への侵入、増殖を深く研究しています。
歯周病菌と言っても多数おり、さらに最近では赤や緑といった色ごとのグループに分けられています。

特に厄介なのが赤(Red)に分類されるPorphyromonas gingivalisという歯周病菌であり、この菌を口内から一個残らず駆逐するのは現在では不可能だということです。
従って、一度このRedに感染してしまうと一生付き合っていかなければなりません。
強引に駆逐しようとすると歯を全て抜かなければならないという本末転倒な結果となってしまいます。

教授たちの研究成果で特に興味をひかれたのが、このRedは感染先の細胞内で様々な挙動を示し、その挙動には個人差があるということです。
細胞内で退治できる場合もあれば好き勝手やられる場合もあります。
この挙動を突き詰めていくと、歯周病になりやすい人と、歯周病になりにくい人との違いを、Redの感染先の細胞内での挙動で説明がつくのではないか、ということです。
この歯周病菌の細胞内での挙動と歯周病との関係が詳細に説明できるようになると、歯周病の挙動を抑制する薬の開発や、予防法につながっていく可能性があるので、今後の研究を期待したいです。
誰もが歯周病で歯を失うのは嫌なので、期待度は非常に高いと思います。

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■まとめ

冒頭にも述べたように多くの人が歯周病菌に感染しています。

しかし、生まれたての赤ちゃんは歯周病菌には感染されていないので、成長過程のある時期で感染します。
多いのが母子感染であるが、感染源は様々で飼い犬が感染源であった場合もあります。

歯周病は細菌感染症なので、悪化すると菌が血液を通して全身に回り、身体のどこかで感染症を引き起こす場合もあるそうです。
最も多い歯の抜ける原因も歯周病です。
歯周病菌が肺に入ると嚥下性肺炎といい、肺炎にかかります。

この恐ろしい歯周病は現在では完治できずに、増えすぎた菌を除去したり、増殖しないように定期的な歯科クリーニングを行うなどの対処療法や予防方法しかありません。
しかし、今回紹介した大阪大学の天野研究室をはじめ、現在でも世界中で歯周病の完治へ向けて研究が進んでいます。

いずれは人類がペストやコレラなどを克服してきたように、歯周病にも打ち勝つことを期待したいですね。

参考ホームページ:大阪大学大学院歯学研究科 予防歯科学教室 研究活動

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