妊娠中のお母さま、おめでとうございます。
健康な赤ちゃんを出産できることをお祈りしています。
今回は万が一に備えてのお話。
おなかの中の赤ちゃんに起こりうる「口唇裂・口蓋裂」についてです。
万が一、赤ちゃんが外見や機能に問題を抱えて生まれてしまった場合、どうしたらいいの?
そんな不安を抱えるお母さんが少しでも安心できるように、基本的な知識をまとめました。
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■口唇裂・口蓋裂とは?
胎児期に起こる奇形の一つで、くちびるや口の中(口蓋)に裂け目が入っているものです。
日本人の500人に1人で起こるといわれているので、決して他人事ではありません。
おなかの中で赤ちゃんの顔は、たくさんの突起が癒合して出来上がっていきます。
この時に何らかの問題があると、うまく癒合ができなくなってしまいます。
こうして起きてしまうのが、口唇裂や口蓋裂です。
くちびるが裂けているものが口唇裂、口蓋が裂けているものが口蓋裂です。
ミルクが飲めなかったり、言葉をうまく喋ることができなかったり、食べる際の問題があったりと、見た目以外にもさまざまな機能的問題が生じてしまう、困った病気です。
■口唇裂・口蓋裂はどうやって防げばいいの?
口唇裂や口蓋裂の原因は複合的なものだと言われており、「こうすれば防げる!」と、一概には言えません。
遺伝子的な原因があるといわれています。
また、妊娠中の喫煙やストレスなどが原因とも言われています。
色々な条件が絡み合って起こってしまうようで、今のところ原因は不明です。
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■治療はできるの?
はい、もちろんです。
ですが、赤ちゃんに対して一度に手術をすることはできません。
段階に応じて治療していくため、長丁場を覚悟してください。
具体的な治療の流れは以下のようになります。
治療時期 | 治療内容 |
---|---|
0ヶ月~ | ホッツ床*1・術前矯正処置 |
3~4ヶ月 | 口唇形成術*2(口唇裂の場合) |
1.5歳~2歳 | 口蓋形成術*3(口蓋裂の場合) |
4歳~5歳 | 歯科矯正治療 |
(就学前) | (形態の二次修正) |
9歳~10歳 | 顎裂部への骨移植 |
鼻修正 | |
20歳~ | 外科的矯正手術 |
※上の表はあくまでも一例です。他にも、耳鼻科の受診や全身の精査を受けるなど、歯科以外の科とも連携して治療することになっています。
*1 ホッツ床とは、口蓋の裂を閉じるまでの哺乳の助けをしてくれる装置のことです。赤ちゃん一人ひとりに合わせて作られたやわらかい入れ歯のようなものです。
*2 口唇形成術は、体重が6kg以上になったときが行う目安となります。全身麻酔下で、皮ふの裂け目をうまい具合に縫合していく手術です。口の周りの筋肉を再建していきます。
*3 口蓋形成術は、体重が10kg以上になったときが行う目安となります。こちらも全身麻酔下です。
今後の発音機能にとってとても大切な手術となります。
咽頭あたりの重要な筋肉や弁を形成します。
■まとめ
いかがでしたか?
今まで、口唇裂や口蓋裂という病気を耳にしたことがあったでしょうか。
初めての方は、インターネットで画像を検索してみてください。
衝撃を受けてしまうかもしれません。
ですが、今回お話ししたように、ちゃんと治療できます!
少しでも知識があればいざというとき安心ですね。
おなかの中にいるときに判明しても、ショックを与えないため宣告しない医師もいるようなので、心配な場合は主治医に相談しておきましょう。