神経を抜いた歯は、10年以上経つとヒビが入ったり、割れたりする「歯根破折」が起こりやすくなります。
多くの場合、「即、抜歯」となってしまうのですが、何とか抜歯せずにすむ方法はないのでしょうか?
今回は、歯根破折を防ぐ方法や、抜歯以外の治療法についてご紹介します。
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■神経を抜いた歯は、将来、抜歯するしかなくなる!?
虫歯が進行して歯の根まで感染が広がると、感染した神経や血管組織などの除去が必要となります。
これを、根管治療と呼びます。
その場合、神経を抜いて空洞になった根管には「ポスト」と呼ばれる支柱が入れられ、銀歯などをかぶせる土台「コア」が入れられます。
ところが、歯の内部はやわらかい象牙質のため、硬いメタルの「ポスト」や「コア」が入ると、いずれ歯にヒビが入ったり、割れてしまう「歯根破折」が起きやすくなります。
その場合、抜歯をすすめられるケースが多いのですが、本当に抜くしかないのでしょうか?
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■<抜歯を回避する方法1>早期発見・的確な診断!
破折してから何ヶ月も経過すると、抜歯という選択肢しかなくなる可能性があります。
しかし、ヒビや割れが発生したばかりの状態なら、接着によって保存できる可能性があります。
早期発見するほど、接着による治療の成功率が高まり、再発のリスクも低くなります。
ただし、破折が歯のどの部分で、どの程度進んでいるかを正確に診断するには、「デンタルX線」と呼ばれる画像診断や、「プローピング」と呼ばれる歯周ポケットの深さを測る検査が必要です。
これらによって正しい診断をすることができる、歯根破折に詳しい歯科医を選ぶということが、もっとも重要でしょう。
歯のクリーニングのために定期的に歯医者さんに通っている人、定期健診を行っている人は、早期発見できる可能性が高いのです。
また、早期発見した場合、接着治療を行うとともに、必要に応じて根管治療をやり直すという選択肢もあります。
現在でもメタルポストやメタルコアを選択する医師は多いのですが、近年では、象牙質の硬さに近いしなやかさを持つ、グラスファイバー素材の「ファイバーポスト」や、プラスチック素材の「レジンコア」が登場しています。
残念ながら、ファイバーポストを使用する医師は、現在でもまだ少数派ですが、事前に歯科医に相談してみましょう。
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■<抜歯を回避する方法2>抜歯でなく、接着で治す!
早期発見すれば、抜歯ではなく、「接着」で歯を残せる可能性があります。
これは、マイクロスコープを使用し、超音波で感染部位を除去した上で、スーパーボンドと呼ばれる接着剤で破折したすき間を接着固定する治療です。
残念ながら、歯根骨折の接着治療は、保険診療の対象外です。
そのため、抜歯のほうがずっと費用は安くすみます。
しかし、抜歯をすると、歯根の表面を覆っている「歯根膜」という組織も同時に失ってしまいます。
「歯根膜」は、歯と歯の根っこのクッションの役割をしているだけでなく、繊細な感覚や刺激を脳に伝える役割があります。
たとえば、唐揚げのサクッとした触感や、おせんべいのパリッとした触感を楽しめるのも、歯根膜がセンサーのように働いて、微妙な食感を感じとってくれるから。
微妙な食感を感じ取れるからこそ、硬いもの・やわらかいものを食べるとき、噛む力を調節することができるのです。
また、食べ物を噛んで歯根膜に圧力がかかると、そのまわりの血管が圧迫され、脳に血液をポンプアップすることができます。
ところが、歯根膜を失った歯は、血流をよくするポンプの役割を十分に果たすことができなくなります。
ですから、微妙な食感の違いを感じ、脳に血流をしっかしポンプアップするためにも、できるだけ抜歯を避け、歯根膜を保持することが大切なのです。
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■まとめ
歯根破折の接着治療は、自由診療となるため、それなりの費用がかかります。
歯科医によって、得意とするスキルに違いがあるため、すべての歯科医がより効果的な接着治療を行えるわけでもありません。
だからといって、せっかく抜歯以外の治療法があるのに、その可能性を知らないまま、抜歯してしまうのは、やっぱりイヤですよね。
歯根骨折して時間が経過すると、抜歯しか選択肢がなくなります。
早期発見をして、複数の選択肢の中からベストな選択をできるよう、信頼できる医師を選ぶとともに、患者自身もある程度の歯科治療の知識を持っていることが大切と言えるでしょう。