プロバイオティクスは腸内環境を改善するもの、と思っていませんか?
今や「お口のためのプロバイオティクス」も続々と登場。
お口の菌活に注目が集まっています。
その種類や効果的な摂取方法についてご紹介しましょう!
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■プロバイオティクスとは?
プロバイオティクスとは、人体に良い影響を当てる微生物(善玉菌)、またはそれらを含む食品のこと。
その代表格といえるのが、乳酸菌やビフィズス菌です。
近年、乳酸菌はお腹の調子を整える以外にも、免疫力を高める働き、花粉症などのアレルギー症状を改善する働きなど、さまざまな働きが明らかになってきました。
そして、口腔ケアへの有用性もに話題になっています。
腸内には1000兆個もの細菌が棲んでいて、腸内フローラと呼ばれる細菌叢をつくっています。
この腸内フローラを善玉菌優性の状態にすることが、腸内環境はもちろん、全身の健康を守ることにつながります。
これは、そのまま口内環境にもあてはまります。
口の中には約1000億個の細菌が棲んでいて、口内フローラを形成しています。
悪玉菌が増えると虫歯や歯周病の原因になるだけはありません。悪玉菌や悪玉菌がつくる有害物質がお口の粘膜や歯茎の血管から体内に侵入すると、糖尿病や心筋梗塞、肺炎、アレルギー、がんなどさまざまな全身疾患につながっていきます。
また、口には呼気や食べ物と一緒に外界のさまざまな病原菌が侵入してきます。
言わば、お口は全身の健康を守る最前線といえるでしょう。
口内フローラを善玉菌優性に保つことは、全身の健康を水際で守ることにつながるのです。
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■歯磨きに次ぐ、口腔ケアとして話題の「お口のプロバイオティクス」
さて、常に唾液が湧き出ている口の中は、細菌たちにとって決して棲みやすい環境とはいえません。
細菌にとっては、腸内より過酷な環境と言えるでしょう。
そこで、口内細菌は、腸内細菌にはない特殊な技を身につけました。
敵味方なくスクラムを組んで強固なデンタルプラークをつくり、歯や粘膜にへばりつくことにしたのです。
デンタルプラークの中は、細菌たちの治外法権国家です。
細菌たちは自由に出入りできるのに、免疫細胞も、強い薬も、一切入ることができません。
また、固くスクラムを組んでしまうと、歯ブラシでも落とせません。
しかも、虫歯菌や歯周病菌といった悪玉菌は神出鬼没です。
たとえ歯周病治療で完璧にデンタルプラークを落とし、さらに抗生剤などを服用して絶滅させたつもりでも、必ずどこかに隠れていて、ふたたび大増殖するチャンスを狙っているのです。
そこで、日々の歯磨きに加えて取り入れたいのが、「お口のプロバイオティクス」です。
現在、有効性が認められている「お口のプロバイオティクス」は以下のとおりです。
・ラクトバチルス・サリバリウス・LS1菌
LS1菌が作り出す乳酸が、歯周病の原因になるジンジバリス菌やプレボテラ・インターメディア菌などを殺菌。口臭がある人に、この菌を摂取してもらったところ、2か月で7割の人の口臭が消えたという報告もあります。
・ラクトバチルス・ロイテリ菌
母乳に含まれる乳酸菌。
胃腸機能回復や改善、病原性大腸O157の殺菌やピロリ菌の抑制、アトピー性皮膚炎の改善、免疫力強化など様々な効果・効能が報告されているほか、虫歯菌の代表選手であるミュータンス菌、歯周病菌を抑制して、歯周炎を予防する働きがあります。
・L8020乳酸菌
虫歯菌や歯周病菌、カンジタ菌を抑制。歯周病菌の内毒素LPSを不活性化させる作用がある。
・WB21
健康な人の口腔内から発見された善玉菌の一種。
胃潰瘍、胃がんの予防のほか、歯周病や虫歯菌、カンジタ菌の抑制にも効果があり、悪玉菌の抑制・減少作用が認められています。
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■「お口のプロバイオティクス」は摂取するタイミングが大切!
これらのプロバイオティクスは、ヨーグルトやタブレットとして市販されています。
せっかくプロバイオティクスを摂取しても歯磨きで洗い流してしまったら意味がないので、食後の歯磨き後に摂取するのがおすすめです。
ただ、特にヨーグルトの場合は、そのまま眠ってしまうわけにはいきません。
夜寝る前なら、タブレット。
睡眠中は唾液が減って細菌が大増殖するので、歯磨き後になめておけば悪玉菌の増殖を抑えられます。
※製品によっては糖質が多く、そのまま眠るとよくないものもあるので注意しましょう。
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■まとめ
口腔ケアの基本は丁寧な歯磨きです。
ただ、歯磨き剤の多くには殺菌剤が含まれていて、善玉菌まで殺菌してしまいます。
そのため、長期的にみるとかえって悪玉菌が増えやすい口内環境になってしまう可能性も。
歯磨き後にプロバイオティクスのタブレットをなめる、というのは、善玉菌を増やして悪玉菌を抑制する上で、理にかなっているのかもしれません。
特に朝の口臭が気になる方は、試してみてはいかがでしょう。