口腔内の治療に使うレーザーのお話

最近の歯科治療では、レーザーが用いられることが増えてきました。
レーザーはレーザーポインターなど安く買えるようになり、レーザーポインターを使用したことがある方も多いと思います。

このレーザーがなぜ歯科治療に有効なのか今回ご説明します。

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■レーザーは波長が大事

レーザーには波長があります。
もちろん太陽の光など、光は波長を持っていますが、レーザーはこの波長がそろっています。
太陽光は様々な波長をもつ光が含まれており、黄色っぽい色をしていますが、鮮やかな原色のような色ではありません。
レーザーは波長がそろった光なので、赤や緑など鮮やかな色の光になります。
これら波長のそろった光を混ぜると様々な色ができます。
特にRBG、つまりRed、Blue、Green(赤、青、緑)の三つの色を混ぜると全ての色を表現できるようになるため、RBGは光の三原色とも言われています。

歯科治療や医療にも言えますが、レーザーはこの波長が大事なのです。
特定の波長は特定の原子や分子結合、振動などに働きかけます。
例えば特定の波長のマイクロ波は水分子を振動させるので食品を温めることができます。
これが電子レンジの原理です。
つまり、歯科治療にはレーザーなら何でもいいというわけではないのです。

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■レーザーメスには炭酸ガスレーザー

炭酸ガスを使ったレーザーは波長が10600nmと長く、赤外線領域にあります。
肉眼では見えない波長ですが、波長が長いので組織内に浸透しにくく、表面の水分を加熱して水分を蒸発させた後、表面のみを焼き切ります。
そのためレーザーメスとしてよく使用されています。
レーザーの当たった部分は毛細血管も焼かれるので切開したにもかかわらず出血しにくく、一般的に金属のメスで切開した場合よりも癒着しやすく治癒が早くなります。

赤外線の他に紫外線という言葉を耳にしますが、この紫外線のレーザーを使用した場合はどうなるかというと、紫外線のレーザーなら波長はより短く、より組織内に浸透しやすくなり、表面を透過してしまうので、メスとしての使用は不向きです。

さらに、恐ろしいことにDNAは紫外線を吸収して、切断や損傷してしまい、最悪細胞が死んでしまうという特徴がある上に、波長によってはオゾンや活性酸素と言った人体に有害な粒子を発生させる場合もありますので、紫外線レーザーは人体に有害です。
よく紫外線を浴びすぎると身体によくないというのは身体の表面の細胞のDNAが傷ついてしまうからなのです。
有害過ぎて紫外線レーザーを使用するメリットは思いつきません。

しかし、紫外線には高い殺菌効果があるので、医療機器の殺菌のためなどにレーザーではなく弱い紫外線ランプが使用される場合がありますので、紫外線も使い方次第で医療への応用は可能で、紫外線ランプは古くから利用されてきました。

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■虫歯治療に使用されるのはYAGレーザー

YAGはヤグと読み、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの略です。
ややこしい名前ですが、イットリウムとアルミニウムの酸化物結晶のことです。

このレーザーの利点は高出力であることにあります。
レーザー光を当てると、当たった部分は強いエネルギーで蒸発したり飛び散ったりします。
この強いレーザー光を虫歯に当てると、虫歯の部分のみをうまく取り除けます。

このYAGのイットリウムの部分を様々な元素と置き換えることで、レーザーの波長を変えることができます。
現在ではネオジム(Nd)やエルビウム(Er)で置き換えたレーザーがよく使用されています。

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■まとめ

いかがでしたか?

レーザーと言っても様々な波長があり、波長や出力が大切です。
一概にレーザーが医療の役に立つとは言えません。
医療業界では、レーザーの特性に合わせて医療用としてうまく賢く使っているのです。

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